本当の恋に 気づいた日
ものの1分も立たないうちに、ヴーッヴーッと着信バイブが鳴った。
「from:斉藤佳奈
subject:Re:re
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Thank you very much!
それじゃあまた!
部長にメールします(//▽//)」
はぁ…分かってはいたけど、ちょっと辛い…。
絵文字までつけること無いだろうに……。
またな、とだけ打ち返して携帯を閉じ、深いため息をついた。
「はぁぁーーー」
…初めて感じるこの感情。
胸の奥がギリギリ痛む。
悔しいような悲しいような……。
切ない…と言うのだろうか…?
その日の深夜。
俺はうとうとしながらも勉強をしていた。
あと10分程度で明日になる。
「……っくそ……!」
この課題は明日の1時間目提出なのに、どうしてもこの問題が解けない。
誰か分かる人……兄貴は寝てるしなぁ…。
ぽん、と頭に浮かんだのは斉藤佳奈の顔。