本当の恋に 気づいた日
~激高~佳奈
今は、夜の12時近く。
美歩がまだ、帰ってこない。
帰ってこないにこしたことはない。いても鬱陶しいだけだし。
でも、佐藤風雅に迷惑をかけてるかもしれない。
昨日の夜、優菜からメールがあったのだ。
『そう言えば今日、昼休みに美歩ちゃんがあたしとかそこら辺の女子、男子に手当たり次第に佐藤君の住所聞いてきたよッ(゜ロ゜)!!前に部長が言ってたじゃん、佐藤君は部長の弟だって…..・ヾ(。 ̄□ ̄)/…やばくない?夜もし押しかけていって部長に佳奈の妹ってばれたら印象悪くなっちゃうかもよぉ?!』
あたしの恋を応援してくれてる優菜はすごく心配そうだった。
確かに、部長に見られたら印象が悪くなるかもしれない。
だけど、それ以前に、佐藤風雅に迷惑をかけたくなかった。
初めてあたしを肯定してくれた、アイツに。
だから佐藤風雅に『美歩に注意』というメールを送った。
丁度文章を打ち終えてメールを送り終わった時。
……がちゃっ。
ドアの開く音がした。美歩が帰ってきたのかな…?
ギシ、ギシ、と階段を上る音がする。
そしてバンッ、と、あたしの部屋のドアが遠慮無い音を立てて開けられた。
「ねえ、お姉ちゃん…」
「…何?アンタの部屋は向かいだよ?間違えてるの?」
「間違えてなんていないよ?お姉ちゃんに聞きたいことがあるだけ」
何だろう…?
「何?」
「今日、何で風雅クンと喫茶店なんて行ってたの?」