本当の恋に 気づいた日
その件かぁ…。
「ちょっと用事があって」
アンタのことを話してましたよ、とは言えない。
「用事って何よ!ブスのくせに風雅クンにすり寄って!」
「アンタには関係ないでしょう?」
「なっ……」
美歩が次に言おうとした言葉は
「♪♪~♪~♪~~~♪~」
というあたしの携帯の着信音でかき消された。
時間からして多分さっきメールを送った佐藤風雅だ…。
そっと携帯を取り、メールを確認するとやっぱり佐藤風雅だった。
しかも内容は、勉強を教えて、的な内容だった。
これはすぐに返事しなきゃ佐藤風雅が困るよね…。
でも美歩がいるしなぁ…。
「美歩、あんたと話すのはこのメールの返事を打ってからにして」
「……分かったわよ。早くしてよねぇ」
美歩が珍しく妥協した。
でも、この問題は佐藤風雅が分からないだけあって、そこまで簡単では無かった。
時間がどんどん過ぎていき、美歩が後ろでいらいらしているのが分かる。
「ねえ!…もう5分以上たってるよぉ?!」
「…待ちなさいよ」
「ちっ…っつーか、誰よ、そんな長いメールが必要なヤツ…」
バッ、と、携帯を取られた。
やばい、と思ったときにはもうすでに遅かった。