本当の恋に 気づいた日
「これ、数学?何が悲しくて夜中に数学のことなんてメールしてるのよ…」
「どうだっていいでしょ?返しなさい!」
「……ちょっとまってよぉ。誰からか見せてぇ?」
「ちょっと!やめなさい!……っ」
「……………………え?」
ああ、見られた…。
「見たならもういいでしょ?返しなさいよ」
「………」
美歩は無言のままだった。
あたしはその手から携帯を奪い取り、佐藤風雅にさっきのメールを送信した。
「……で、美歩、もう用はないでしょ?」
「……」
よく見ると美歩の顔は青ざめ、手は震えていた。
「用がないなら出て行って?」
「………ブスのくせに……」
「え?」
小声で何かをつぶやいたようだが、聞き取れなかった。
「ブスのくせにって言ったのよぉ!何考えてるの?!このブスッ!調子に乗らないでよね!風雅クンはお姉ちゃんになんか興味ないんだから!!あたしの方が何倍も可愛いのよ!そんなのみんな知ってるじゃない!!なんで…なんでお姉ちゃんなんかっ……」
まくし立てるようにそう言われた。
なんで、と言われても……。