本当の恋に 気づいた日
「ブス…ブス…このブッサイク…!」
…鬱陶しい。
分かってるよ、ブスなのは。
けどさ、それをわざわざ言わなくてもいいじゃん。
美歩はまだ、ブスブス連呼している。
馬鹿じゃないの?
「お姉ちゃんなんて…っ!死ねっ…!!」
―――――――プッツーン。
何かがはじける音がした。
何を言われても、ずっとずっと我慢し続けていた今まで。
その積もりに積もった我慢が、爆発した。
「鬱陶しいよ、馬鹿のくせに」
あたしが放った冷たい言葉に、美歩は驚いた顔をした。
「なんでも可愛いから、で通ると思ったら大間違いだよ。この馬鹿」
「っな……」
「っつーかさ、いっつも感情的になるのやめてよね。支離滅裂な事ばっかり言ってて、聞いてるこっちの頭が痛くなる。それからさ、人のことブスブス言うけどさ、こっちも思ってるよ、馬鹿だなぁって。中学の時から成績はほぼ学年最下位。その成績の悪さに比例するかのようにスカートの長さは短くなっていくし、髪の色は黒から離れていく。将来のこととか、考えたことある?高校に入れたのは奇跡だよ?大学はそんな風にうまくいくわけ無いじゃん。やめてよねー。あたしに恥かかせるのは」
「………」
美歩は驚いた顔をしたままで、だらしなく開いた口を閉じることもせずに固まっている。
もうそろそろとどめを刺そうかなぁ…。