本当の恋に 気づいた日
そして予鈴がなった。
でも優菜は帰ってきていない。
……どうしたんだろう……。
するとポケットからバイブ音がした。
「from:湯谷優菜
subject:no title
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ごめん、体調が崩れたので早退
します。」
優菜からの着信。
体調が崩れたって…さっきまで元気だったじゃん。
それに、何かこのメール、違和感を感じる。
優菜はいつも、顔文字をたくさん使う。どんな短文だって、必ずと言って良いほど。
……心がさっきの出来事に対して警鐘を鳴らす。
おかしい、絶対に何かがおかしい。
「おい、斉藤!」
「え?」
後ろの席の近藤が切羽詰まった声であたしを呼んだ。
「…湯谷って、帰ってきてないよな…?」
「うん。さっき、体調不良で早退するってメールが来たけど……」
「…あの竹中ってヤツ、かなりやばい!前に基本クラスの知り合いに聞いたことがあるんだ!不良の中でもかなり悪い方で、逆らったら暴力されるとかなんとか……。親が金持ちだから、何してももみ消しちゃうらしい…。……もっと早く思い出せばよかった。湯谷、拉致されてるかもしれないぞ!」
「え…?!」