本当の恋に 気づいた日
嫌な予感はしていたけど…拉致?!
そんなヤツに優菜が…?
どうしようどうしようどうしよう…助けに行かなきゃ…でもどこに?…優菜はどこにいるの?
っつ………!
…落ち着け自分、冷静になれ……。
スーハースーハー、深呼吸。
「近藤、でもまだ可能性があるってだけなんだよね…?」
「……いや…ほぼ、ただの早退って事はないだろうな。だってカバン、ここにあるじゃん
」
「あ……」
優菜はいつも、カバンにつけている鍵入れの中に自転車の鍵を入れていた。
鍵がないと、自転車に乗れないから優菜は帰れない。その上、優菜はその鍵入れに家の鍵も入れてあると言っていた。
いくら体調が崩れたと言っても、優菜は家の鍵や自転車の鍵を持たずに家に帰ろうとするような事はしないだろう。
……そうだ!
あたしは優菜にメールをした。
『優菜、カバン置きっぱなしだけどどうやって帰るの?大丈夫?』
返事はすぐに帰ってきた。
『親に迎えに来てもらうから、大丈夫』
……確証した。絶対にこのメールを送ったのは優菜じゃない。
だって優菜の両親は今、仕事で出張しているから。
「近藤、今、優菜の携帯は優菜じゃない人が持っている!間違いない!」
「…うん…基本の知り合いにメールして聞いたら、今竹中とその周辺の何人かの不良が教室にいないらしい。湯谷は多分その不良達といるだろうな…」