本当の恋に 気づいた日
「……ふーん、そりゃよかった、ね、風雅」
「何が良かったんですか?」
「…っな、何でもない。で?どうしたんだよ、サボりじゃないってなら」
クスクス、と部長が笑う。
何がいいのよ、佐藤風雅!
優菜が拉致されてるかもしれないのに、いい事なんて何もない……って……そうだ、優菜のことを近藤とどうにかしなきゃいけないんだ!
「近藤、優菜のこと、これからどうする?!」
「ああ…湯谷がいる場所を突き止められたら……俺、一応昔空手やってたから、助けに行く!」
「…突き止めるって…どうやってよ……」
考えろ、考えろあたし!
方法は、あるはずだ…!
「…斉藤さん、湯谷さんがどうかしたの?……俺、何か力になれることがあったら何とかするけど……」
「近藤、協力してもらおうよ!1人でも多い方がいいと思う!」
「ああ…えっと、俺、近藤英(すぐる)って言います。実は……」
近藤が一部始終を説明した後、佐藤風雅は少し考えた後、こう言った。
「…不良って…なあ、あいつ…なんつったっけ……えーと、お前の妹…」
「美歩……?」
「アイツ、関わってるんじゃないか?」
「え?」
美歩が……?