本当の恋に 気づいた日


「斉藤さん、確かにその可能性、あるかも。これは、俺の推測に過ぎないけど、斉藤さんの妹さんが何らかの原因で斉藤さんを恨んでいて…正攻法では斉藤さんに何かする事ができないから囮として湯谷さんを使った…とか。……心当たりある?」



「え……?」



何らかの原因…って、……昨日のことしか思い浮かばない。


あたしが……キレたからだ。


優菜が拉致されてるのはあたしのせいだあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいあたしのせいああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!


手が…震える。


あたしのせいで優菜が酷い目にあってるなんて…。



っつ……!



「…おい、違うかもしれないじゃん。ただの推測に過ぎないって兄貴も言っただろ?」


ぽんぽん、と背中をたたかれた。


「…佐藤風雅……ぁ」


情けない声が出た、と自分でも思った。


「心当たり…あるんです。……あたしが、美歩にキレちゃったんです…ごめんなさい」


「……そっか。…斉藤さん、謝る必要はないって。斉藤さんは何もしてないのにキレるような人じゃ無いだろ?それより、そのときのこと、詳しく話せる?」


「…はぃ」






< 46 / 101 >

この作品をシェア

pagetop