本当の恋に 気づいた日


「……美歩はすごく可愛いから、目をつけた男は絶対落とすって言って、今は佐藤風雅に目をつけているんです。でも佐藤風雅は美歩の誘いにのらなかったんです。だけど不細工だからってずっと下に見てきたあたしと佐藤風雅が仲良くしてたのを見て、すごく怒って、『ブスのくせに取り入って』…ってあたしに言って、またブスって連呼して……それでさんざん今まで言われてきた容姿に対する悪口の積もりにつもった我慢が限界に達しちゃって………キレて酷いこと言ってしまったんです」




あたしがあのとき我慢していれば…優菜は…何もされずに済んだのに。



うつむいて黙り込んだあたしに、佐藤風雅はこう言ってくれた。



「それ、悪いのあの女じゃん。あんたは何も悪くない」



「え…?」



「あんたのせいじゃないだろ。って言うか、俺が落ちないって、当たり前だろ!あんな鬱陶しい女誰が好きになるか!」


ああ……。


ま た あ た し を 肯 定 し て く れ た 。


「ありがと」



「え、あ…おう」



「…まぁ原因は向こうにあるとしても、これで湯谷さんの件に妹さんが絡んでる可能性は高くなったよね?」



「…はい」



「まあ、まだ確定って訳じゃないし、そんなに落ち込まなくても、ね?」



すると、急に


ヴーッ、ヴーッ……



と、携帯のバイブ音が鳴った。



「…着信?だれの携帯?」



「あ、あたしのです………っえ!!」



「…どうしたの?」
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