本当の恋に 気づいた日
そうだ、あたしは、恋に落ちたんだ。



正真正銘の、初恋。


相手は、この部長。



「佳奈?」


「え?あ、優菜…」


「大丈夫?さっきから声かけてたんだけど…部活の時からなんか佳奈、全部上の空~って感じだよ?」


大丈夫…じゃないかも。


今…多分あたしは道路にて大変危険な自転車の運転をしている…気がする。


だって…部長のこと考えただけで…他の事なんてどうでも良くなっちゃう。


瞳(め)を閉じたら、あの微笑みが浮かんできて、口元がにやける。


「かーなー?…本当に大丈夫?今日美歩ちゃんのこと、部活で言われたから…あ、でも、部長が助けて?くれたじゃん!」



そう、助けてくれた。


後輩を叱る、ただそれだけの行為だったのかもしれないけど。


あたしにとっては


かなり大きな救いだった。



「佳奈、何にやにやしてるの?あ…まさか…!」


「…そのまさか!あたし、部長が好き!」


初恋に落ちたばっかりという勢いも多少あっただろう、あたしは優菜に堂々と気持ちを打ち明けた。
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