本当の恋に 気づいた日
4人の男を俺と兄貴と近藤で倒し、おそらく湯谷を縛るのに使った余りであろうと思われる縄で縛った。
そして逃げだそうとした斉藤美歩も兄貴に拘束してもらい、俺は斉藤佳奈に駆け寄った。
意識は無かったが呼吸音はあって一安心した。救急車と警察を呼んで……と。
近藤も湯谷の様子を確認したみたいだが、意識がないだけで特に異常は無いみたいだ。
俺は斉藤美歩に向き合い、言った。
「何でこんな事したんだ?」
「…風雅クン………そのぉ……しょうがなかったのよぉ…?」
「俺が聞きたいのはキモい声での言い訳じゃなくて、理由だから。早く言え」
「………お姉ちゃんが不細工のくせに調子に乗ってるからだよぉ……」
「…はぁ?…てめぇの方が不細工で調子に乗ってるんだよ!ふざけんな!」
「っ……風雅クンは…あたしのこと好き…だったりしないのぉ?」
上目遣いで見上げられても、気色悪いとしか思えない。
「するわけねぇだろ?てめぇみたいなキモくて鬱陶しい女」
「なっ……」
「…っつうか、俺は今殺したいぐらいてめぇに苛立ってる」
「……なんでよ!風雅クン、お姉ちゃんのこと好きなの?!」
「…ああ、好きだけど?」