本当の恋に 気づいた日
「何で……知って……る…の…?」



あの時、あたしは何となくそのままの気持ちを伝えるのが気恥ずかしくて英語で言ったはずだ。



佐藤なら頭が良いから聞き取って訳したのかもしれないけど…、あの時は分かってる感じじゃ無かった。



「辞書で調べたんだよ、アンタが言ってた単語。それでそれまでの会話とかから考えて、そう言う結論にたどり着いた」



「わざ…わ…ざ?」



…そんなことを辞書まで使って調べたの?



「…ああ。で?…アンタは努力する自分を肯定してもらえて嬉しかったんだろ?じゃあ今、努力せずに諦めようとしている自分、好きか?」



「!!」


…そうだ…。


あたしは自分の気持ちを伝えることもせず、逃げようとしてる。



………こんなの、あたしらしくない。


…努力しても、恋は必ずしも叶うとは限らない。でも、このまま不完全燃焼で終わっちゃうような恋なんて、嫌だ!!



分からない問題が時間内に解けなくても、頑張るだけ頑張るのがあたしじゃん。




こんなところで泣いてても、何も変わらない。




「そうだね、佐藤。…ありがとう。ここで諦めるなんてあたしらしくない。玉砕覚悟で、行ってくる!」



涙をぬぐって、前を向こう。



「…おぅ。俺もそういうアンタが、好きだ」



「え?」



「…ずっと、言おうと思ってた」







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