本当の恋に 気づいた日
~出会い~風雅
「風雅~週末にお前の講師を連れてくるから、ちょっと刺激を受けたらー?」


入学して1月ほどたったころ。


俺の兄貴が唐突にそう言った。


兄貴、と言っても血がつながっている訳じゃない。


俺の父親と兄貴の母親が再婚して、兄弟になったのだ。


でも俺と兄貴は、仲がいい方だと思う。頭のいい兄貴によく勉強を教えてもらったりするし、そんな兄貴にあこがれて俺は栄秀高校を受験し、入学した。


でも、講師ってなんだ?

刺激?

俺は意味が分からないまま週末を迎えた。



「それじゃ、講師を迎えに行ってきてあげるから、分からない問題持って待ってなよ」



30分後ぐらい。


「おじゃましまーす」


と、声が響いてきた。



そして俺の部屋に入ってきたのは兄貴にエスコートされて顔を真っ赤にしている女。



「こんにちは、1年特進の斉藤佳奈です」


――――――特進?


「講師はこの子だよ。同じ学年でもどれだけレベルが違うか実感して、勉強頑張りなよ、風雅」


「ふーん……」


俺にやる気を出させるためにこの女を呼んだのか。


まあ確かに最近、勉強サボり気味だったしな。


この際勉強するか。


「じゃ、俺、出かけてくるから。斉藤さん、風雅の見張りよろしくね」


「はいっ!」


見張りって何だよ。


つーか、この女、本当に勉強できるのか?
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