本当の恋に 気づいた日



「佳奈ちゃんって、華音の恋人なのよね?」



「え…」



「もしかして…風雅クンから聞いてるかも知れないけど、私、華音の……」



っ……知ってる。


そんなことわかってる。部長の恋人はこの人だから。



「……知っています。彼の恋人は貴方なんですよね?」



「え……?…恋人?」



「違うんですか?」



「うーん…ちょっと違うよ。恋人『だった』の方が正しいかな」



「…だった…?………過去形なんですか?」



「ええ。今は私、婚約者がいるもの」



「……えっ?!」


婚約者…?!


『コンコン』



丁度そのとき、ノックが聞こえた。


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