本当の恋に 気づいた日

ふう、と一息つき、あたしは本題を切り出した。



「それで、その、貴方は部長…榊華音の恋人では無いんですよね？」



「ええ。そう言ったでしょう？」



「………」



だって…部長の家にいつもいるって……。



「ああ…もしかして貴方、風雅クンに何か聞いたの？私が華音の家にいるとか」



「いえ、そう言うわけでは無いのですが…」



「うふふ…そんなにかばわなくても…。いいのよ？私はそんなことで怒ったりしない」



「………」



「…まぁ、私が華音の家に良く行くというのは事実だけど」




……っ！




「…じゃぁ、質問を変えます。貴方は…彼が好きなんですか？」



「ええ、好きよ」


間髪入れず、明確に告げられた彼女の意思。


……ああ、そうなのか…。


やっぱり……あたしが立ち入る隙なんて無かったんだ。


「でも、付き合っているって訳じゃない。つまり、貴方が華音と付き合っても何ら問題は無いのよ」



……え？


「私には華音を縛る権利は無いからね」



「……お互い、好きなのに？」



「ええ…。私の親が許さないからね。…仕方ないのよ。まぁ、別に恋人という関係にそこまで執着する必要性も無いし。私が結婚するまでは『恋人』じゃなかったら付き合っていられるし」



………親が許さないから、仕方ない？！


…結婚するまで？！




…………。