茜空




担任が少その男の子の腕を少しひっぱり、
皆の前に立たせる。
「じゃあ自己紹介でもして」

男の子は担任に向かって少しうなずき、
俯かせていた顔を少しだけ上げたけど、長い前髪が邪魔で顔が見えない。

「................」

しばらく皆彼がしゃべるのを待っていたが、
彼はなぜか全く何も言わずに黙りこくっている。


皆が少し引いているのを感じ取った担任は、
「あ、じゃあまずは席に座って.....」
と言って
美波の左隣の窓の隣の席を指差した。






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