アイカレ-17.2-
何も答えない私を見て救急隊員は
“ふっ”と笑って、



「先程の女性が彼女なんですね。」




と図星を付かれた。




私は曖昧な返事で苦笑いをして
病院につくまでの間、顔を下に向けていた。





病院に付いてから、藍はすぐに
個室みたいな場所に、機械がたくさん
置いてある部屋に入っていった。





私はずっと見ていた。



いや、願っていたんだ。





“藍がどうか、無事です様に”って。




今更ながら、だけど。





きっと、私はまだ藍がすきなんだ。




ずっと、向き合えないまま過ごした
半年間。



いや、付き合ってた半年間と。
分かれた半年間。






ずっと逃げてた。



藍からも、自分からも。





梓からも。





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