夜明け前


「おはよう、凛」


「かっち、ちょっとその顔どうしたのー!!」


学校に着くと、ひどくうなだれた様子のかっちがいた。

すっぴんのうえ、目の下にはくまが出来ていて、正直女の子の顔とは思えないくらいひどい顔になっている。


「いやー、今日まで提出のレポート、さっき完成させてさ…正直全く寝てない…」


「ちょっとー、また徹夜したのー?いい加減ぎりぎりになってからレポート片付ける癖やめなよ」


私はかっちの顔にデコぴんを一発打ってやった。


「あイテッ!!うっせ!!面倒見のいい雄一と一緒に住んでる凛には、私の生活の凄まじさなんかわかるか!!」


かっちは私に向かって「べー!!」と言いながら舌を出した。


「どうせ、かっちの生活が凄まじい理由なんて、毎日飲み会だからでしょー。月曜日はバイトの仲間と焼酎。火曜日は合コンでワイン。水曜日は私と一緒にビール。昨日はどうせ日本酒でも飲んでたんでしょ?」


「お前はエスパーか!なんで私の生活を把握してやがる!」


かっちは驚きの視線で私を見つめた。

酒好きのかっちの生活はだいたい毎週同じサイクルで出来ているから、これくらい簡単に想像がつく。

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