離れないで


恭平が来た。

久しぶりに見た恭平は
何かが違って見えた。


じっと見ていたら恭平が

「何?」

と今までとはまったく
違う言い方をした。


暗い話になると
わかっていたから
あたしはわざと
テレビをつけたままにしていた。


話すこともなく
テレビを見る。


「あのさ…」

「何?」

「やっぱいいや」


そう言って
またテレビを見る。


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