☆恋愛さらだ☆
薄暗い裏道。


表通りからは想像ができないくらいの静かさ。



俺の靴の音と、彼女の歩く音だけが響く。




「なんでそんな格好してるの?」



笑顔で振り向いた俺。


彼女はまたびっくりした顔をした後、少しだけうつむいた。



「…彼氏の家から、逃げてきたので…。」




小さな声は、少しだけ震えていた。


よく見ると、体全体にたくさんのあざと傷がある。




「それ、彼氏?」



直球しすぎたか?


汚れたスカートの裾を見ながら、彼女の返事を待った。



「…彼氏にされたんです。」



小さな声でそう言って、彼女は泣きだしてしまった。




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