☆恋愛さらだ☆
「逃げてきたの…彼氏から。怖くて、怖くてっ…」


しゃがみ込んだ彼女は、手首を抑えながら必死で言った。



その姿が、普通ならかわいそうに見えるはずなのに、俺には違って見えた。


なぜか綺麗と目に映る彼女。



汚れたワンピースも、あざだらけの顔も、ビックリした時のまんまるの目も。


全てが綺麗。




「今日、うちに泊まるか?」

「えっ…?」




彼女は、俺の顔を見つめる。


知らないうちに、早くなった鼓動。



「泊まってけ。」



ニッコリ笑うと、



「ありがとう。」



彼女も、ニッコリ笑った。





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