☆恋愛さらだ☆
「あ、おはようございます…はい、はい…坂下です…」
なんでこんなに若い人が、あたしなんかを…?
花菜に背を向ける健斗に、必死に心の中で問いかける。
私なんて、どうせ邪魔なのに…。
「ぁ、花菜ちゃんにまだ名前言ってなかったよな。」
電話が終わったのか、ソファーの前に立つ彼女に、健斗は優しい笑顔で微笑む。
なぜか、花菜の気持ちは少し健斗に持ち上げられたように、フワフワした。
「坂下健斗、27歳。よろしくね」
健斗はそう言って、キッチンへ向かう。
この人、27歳なんだ…。
私なんか、幼いだろうに。
「あ、あのっ…。」
気づけば、あたしは自然と健斗さんに問いかけていた。
笑顔で振り向く彼。
少しだけ早くなった心臓。
なんで…
「なんで…」
わたしなんか…
「わたしなんか…」
「たす「なんかとか、言うなよ。」
ハッと顔を見ると、健斗さんの目は鋭くわたしを見ていた。