君が教えてくれたこと。

｢それに彼氏も居ないもんな、由実は｣
ニヤニヤと、いたずらっぽく笑みを浮かべる敦子。


｢ひっどーい!!出逢いが無いだけですよ〜｣

ハムスターみたいに、プクーと両方の頬を膨らませている。


敦子は笑いながら、それをツンツンとつついて楽しんでいた。


｢敦子先輩、やめて下さいよ〜あ、琉菜先輩…その代わりに御願いがあるんです〜｣
身体をクネクネと曲げながら、もじもじと手を動かして、チラリと由美は私の顔を見つめる。



｢なぁに？｣


｢琉菜先輩の料理が食べたいんですっ｣
ぺこっと、頭をさげる由実を私達２人は、キョトンと見つめていた。


｢ぷ…くすくす、いいわよ？｣
笑いをこらえながら答える私に、隣に居る敦子は、ゲラゲラとお腹を抱えて大爆笑。


｢ぎゃはははっ!!男紹介して…とかじゃなくて、料理食べたいかよっ!?ひーひー、うけるっ｣


｢敦子、笑いすぎよ｣
私が敦子の脇腹を肘でつつくと、やっと笑いが治まってきた。


｢あぁ、ごめん、ごめん…｣