君が教えてくれたこと。

…自…(ジタク)

【カンカンカン……カンッ……】


僕は、アパートの階段を一段ずつ上がって行った。


…202…


彼女の家の前に到着すると、僕は軽く深呼吸をした。


「琉菜、きっとビックリするだろうな♪連絡しないまま、来ちゃったし」



昼間、彼女のバイト先へ行ったら可愛い女の子が、ウェイトレス姿で接客をしていた。


まぁ、琉菜には負けるけどね。


琉菜は、風邪で休んでいると聞いて僕は落胆しつつ、店へと出て考えたんだ。



ー彼女の所へ、お見舞いに行こうとー


きっと喜んでくれるに違いない。


【ピンポーン】

呼び鈴を鳴らしたが、応答なし。


ー寝てるのかな…?ー



【ピンポーン】

もう1度押した。



反応は無い…。



【ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン……ピンポーン………】


連続で、呼び鈴を連打した。壊れるくらいに。
でも虚しく、部屋の中へ呼び鈴は児玉するだけだった。



「居ないのかぁ……なぁんだ……」



僕は、口元をニヤリと歪めると、開かないドアに向かって一言呟いた。


「…また来るからね、ハニー」



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