君が教えてくれたこと。
玄関へと入ると真っ暗で、僕は手探りで電気のスイッチを見つけて押した。


静寂の中で、【カチッ】と乾いた音と共に、部屋中が一気に明るくなる。



琉菜の部屋…。


僕は、その空気を深く吸い込んだ。
「いい匂い…琉菜の匂いだ。」



ベッドに座り込み、そしてゴロンと横になると、目の前には枕があった。


枕を抱き締めると、フワァ〜…と淡い匂いが、僕の鼻をくすぐる。


「むふ…むふふ……琉菜、いい匂いだよ…琉菜…」


スーハースーハーと、ひとしきり匂いを嗅いでは、満面の笑みを浮かべて、1人で興奮していた。




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