君が教えてくれたこと。
彼女の身体は、ビクッと震わせると、怯える表情で、僕を見つめた。


「…お客様が、香水付けてる人いたから、そのせいじゃないかな?…結構匂いキツかったし…」


彼女は、ファミリーレストランでウェイトレスをしている。


ウェイトレスの制服姿も、可愛いんだよな…。


…そんなこと考えている場合じゃない。
今は、こっちの方が問題だ。



「本当かっ!!」


思わず、声を荒げてしまったが…ハッと気づいた時には、もう遅くて…怯え切って青ざめた表情には、いつもの笑顔は無かった。


すると、彼女は「信じてくれないんだね、私のこと…」


俯いて呟いた後に、バッグを持ち立ち上がり始めた。


僕は、慌てて止めたが、彼女は聞く耳すら無く玄関へと進んで行く。


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