ハツコイ
その日は怖くていつも早足だったあの暗い道も、先輩がいたから平気だった

自転車なのに、わざわざ押して歩幅をさりげなく合わせてくれる

健人先輩と同じように
大地先輩がモテる理由が

少しだけ分かった気がするー…




翌日、朝練のために学校へ向かっていると


「あの…吉永紗由さん」

「へっ?」


朝早くと言うことで見事に間抜けな声がでた


振り返ると背が高くて、これまたモテそうな男子がたっていた


「入学式に見かけてから、一目惚れしました!良かったら付き合って下さい」


頭を下げて手を差し出してくる男子

「気持ちは嬉しいけど…私あなたの事よく知らないし…」


すると男子は頭をあげて

「俺、ともきって言います!同じ1年で隣のクラス!友達って事で仲良くしてくれませんか?それからでいいんで!」


「あ…はい」


あ…しまった!

気づいた時にはもう、
ともき君の姿は小さくなっていた


ため息をついていると…

「おう、吉永!早いな」

そう言って走りながら
私をあっというまに抜き去っていった


やばい…先輩にみられてたかな…


他の人に告白されても私の心には先輩がいる


「朝からモテモテだね〜」


「いや、先輩にはかないませんよ」


大地先輩は朝早いと言うのに、両手に女の人。


「あー紗由♪おはよ」


「おはよ、ゆかり」


「おっーす」


「あきらもおはよ」


あきらとは中学からの友達で、ゆかりはあきらと付き合ってもう2年にもなる


この二人は私の憧れ
喧嘩が多いけど、なんだかんだ一緒にいるし
ほんとに幸せそうなんだもん!


友達が一緒だと私も嬉しいや


「あ!やばい朝練いかなきゃ。またね、二人供」
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