ハツコイ
「紗由ちゃん!」


「大地先輩…」


「なんだ…良かった」


大地先輩は私の隣にきて顔を覗き込む

「泣いてるかと思った」

悲しそうな顔をする大地先輩。
一瞬目が離せなかった


「紗由ちゃんさ、健人の事好きでしょ?」


「えっ!?」

なんで大地先輩は私の気持ちを知ってるんだろう?


「見てたらわかるよ」


そんな私の心をよんだのか、大地先輩は笑いながら答えた


「えっ…それって…」


「健人は気づいてないよ。あいつは鈍いから!」

ホッと一安心。
バレてなくてよかった…

「ゆきは…健人の事、ずっと好きだったんだ。」

ずっと…

私が先輩と出会う前から、ゆき先輩は健人先輩と出会ってたんだよね


これだけの短い期間に
私は色々な気持ちを重ねてきたよ


ゆき先輩…

あなたはどれだけ我慢してたんですか?


私は…もう無理なのかなあ…

ゆき先輩と健人先輩が上手くいってたら、心から祝福できる気持ちを持ってないよ…

心に余裕がない…
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