ハツコイ
放課後。

私は柔道場に行った。


するといかつい体格の良い先生が突っ立っていた。

「おぅ!やっときたか」

そう言って、こっちこっち、とジェスチャーしてくる。


私がそばに駆け寄ると


「練習やめて集合!」

パンパンと手を叩く。


その合図をきき
ゾロゾロと部員が先生の前に整列しだした。


はずかしい…


「えーマネージャーになってくれた1年の吉永だ。皆、仲良くするように。」


私はペコッとお辞儀をする。


「初めまして。3年マネージャーの清水ゆきです。マネージャーは私一人だったから助かる!よろしくね!下の名前何?」

「あ!紗由です。よろしくお願いします」


背が高くてスラッとしてて、美人な先輩だな〜


するといきなり抱きつかれた


「紗由ちゃんかあ〜!ちっちゃくて可愛い〜」


「おい、よせ。」


間に入ったのは倉橋先輩だった。


「見ての通り、男ばっかだがよろしくな。仕事内容は俺かマネージャーに聞いてくれ」


そう言って微笑んでくれた。


「あら健人!随分優しいじゃない」


ニヤニヤしてくるゆき先輩。


「仕事しないと走らせるぞ」


「もう!冗談通じないんだから!つまんない男」

わざとらしく頬を膨らませたゆき先輩。


仲いいんだな〜
ゆき先輩、健人先輩の事呼び捨てだし。


「幼なじみなんだよ。あの2人」


「え?」


私が振り返ると、
これまたモテそうな先輩

「あー俺、河上大地!3年で健人と同じクラス。さっそくだけど紗由ちゃん!メアド教えて?」


「はい??」


何この人…


「おい、大地!何やってんだ。練習しろ」


「げっ…はいはい。また今度ね、紗由ちゃん♪」

助かった〜とホッとしていると、
先輩が私の頭をポンっと撫でてくれた。
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