ハツコイ
家に帰りついたのは
夜の9時。

今日は仕事内容を覚えるので精一杯だった。


明日からもっと忙しくなるんだろうなあ〜


ピロピロリ〜

携帯がなり、開いてみると


「大地先輩だ…」


《明日から頑張ろう♪愛しの紗由ちゃんへ》


………。


あの後、練習に戻っていった大地先輩は、
帰りにまたメアドを聞いてきた。


強引な態度に呆れ、
しぶしぶ教えたのだ。


私は大地先輩からのメールを無視し、
深い眠りについた…



翌日、きっと朝から自主トレをしていると思い
急いで学校に向かうと
走っている先輩の姿が。

「健人先輩!」


先輩は私に気づくと
走るのを止めてこっちに向かってくる。


「おぅ、マネージャー。早いな」


だるそうに登校してくる生徒たちの中

汗を流しつつ爽やかな先輩は

私の中で一番輝いてみえたー…



ねぇ…恋って
楽しい事ばかりじゃない
辛いことや苦しいことの方が多い

けどその人の特別になりたい、


その気持ちだけで
頑張れるんだよね。


私、吉永紗由は。


倉橋健人先輩に。


初めての恋をしました。


みんな知ってる?



初恋は実らないんだって。


けど初めてのこの気持ちを

私なりに大切にしたいんだー…
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