ハツコイ
告白
私は健人先輩を探し回った。

どこにも見当たらなくて、最後にいったのは、合宿初日に先輩と話したあの砂浜。


「健人先輩…」


「…吉永。どうした?」

座ったままこっちを見る先輩。

私は何も言わず先輩の隣に座る。

先輩はあえて何も聞かずに、前を向きただ黙って海を見つめている。


「…好きです、健人先輩」


弱々しいけど、私の一生懸命な気持ち。


健人先輩は驚き、こっちを振り向く。


「え?」


困惑している先輩。
私はありのままの気持ちを言った


「入学式のあの日から…ずっと好きでした。返事は明日聞かせてもらえますか?」


先輩は少し考えて


「わかった」


と優しく微笑んでくれた。


明日でー…

私の恋が終わるんだ…
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