その一瞬の一秒に。
Prologue*
あたしは、ずっと殻に閉じこもってた。
堅い堅い、どうしようもない殻。
誰にも、開けられるわけないって思ってた。
誰も、開けてくれないって。
君は、見た目はあたしの大嫌いなタイプ。
でも、大好きなんだ。
大好きに、なっちゃった。
その、大きな手で。
その、暖かい頬笑みで。
あたしを、包み込んでくれたね。
あんなに冷え切ってたあたしを、溶かしてくれた。
きみはたくさん言葉をくれたよね?
もう、くれないの?
まだまだ欲しかったよ、君の言葉。
たくさん、聞きたかった。
ねぇ、聞こえてる?
あたし、精一杯に叫んでるよ。
「愛してる。」
ずっとずっと、愛してるよ、優。