儚花火
「連れがいるので」

それにあたし、獅兎以外には興味ないし。

あたしはそのまま無視したつもりだった。

「じゃぁ、その連れ待ってる間だけでも俺と遊ぼ~」

「へっ!?ちょっと……!?」

気付いた時には腕を引っ張られてあたしは立ち上がった。

手に持ってたものも投げ出して、拾う前に神社の奥のほうに連れてかれた。


リン―――…

すごく小さな音だったけど、あたしには聞こえた。

獅兎達がつけてる鈴の音。

あたしが立ち止まっても、あんまり意味はなくまた無理やり引っ張られる。

その状態をさっきから何回も繰り返してた。

だから立ち止まらないで呼びかけてみた。

「ねぇ…ねぇってば!!」

「ん?何??」

胡散臭い笑顔。

絶対さっきわざと無視してたでしょ。



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