儚花火

「し…とぉ……」

悲しいのか嬉しいのかよく分かんないけど、涙が止まんない。

どこで涙腺緩んだのかわかんないけど、涙が落ち続ける。



一瞬だけ獅兎の唇が重なって、その後は獅兎が頭を撫で続けてくれた。

「獅兎も、あたしのこと好きなんだよね？」

「あぁ」

「両想いなんだよね？」

「あぁ」

「付き合ってくれる？」

「……」

「獅兎？」

「その前にお前の父さんを説得しなきゃな」

お父さんを説得？」

獅兎とずっと一緒にいるためならあたしなんだって出来るよ？

「お前、泣き顔で上目づかいすんな」

「え？」

あ、化粧落ちてる？

そしたらあたしの顔悲惨だよねっ！？