儚花火
「そうか…」

「うん」

とりあえず、喜んではくれたらしい。

嬉しそうに笑ってくれたから。


その後獅兎はあたしを下ろして、庭に直接片膝をついた。

「それなら、誓う」

「ふぇ?」

「この鈴にかけて。祈雨が俺に離れろと言わない限り、俺はお前の傍に在り続けよう」

一回だけあたしが首につけた鈴に唇をあてて、離した。

リン

少し鈍い音がした。

よく分かんないけど。

「ほんと??ずっと一緒にいてくれるの?」

「あぁ。鈴をくれた者が主だ。俺はお前を愛し続ける」
< 34 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop