なんでも屋 神…第二幕
第七章
あれ以来、重苦しい空気のまま[沙夜]に到着した。



兄ぃ側のドアを開けたノリが、回り込んできて俺の方のドアを開ける。



荘厳な雰囲気と佇まいを見せる[沙夜]。白い玉砂利を敷き詰めた上には、一台のロールスロイスファントムRR。



月灯りも跳ね返す真っ新(まっさら)な純白ボディに映える、RRを形取る黄金色のボンネットマスコット。



それが格調高い[沙夜]の中に、幻想的な一面を垣間見せるが、一貫して和風な[白桜]とは違い、[沙夜]は和洋折衷な造り。



外観はシンプルな中にも高級感を忘れておらず、様々な角度から当てられたライトが、暗闇に聳える[沙夜]に、くっきりと陰影を作り出す。



「なぁ兄ぃ、他にガードの車も見当たらないし…少し不用心なんじゃないの?」
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