なんでも屋 神…第二幕
まだまだ聞かなければならない事は山程有ったが、その日の話しは其処までで切り上げ、俺達三人は[沙夜]を後にした。



俺にしてみれば、朝から一葉のショッピングに付き合い、奏からの難しい依頼を受け、また新たに兄ぃからの小面倒な依頼を受けた…正直、長すぎる一日。



[沙夜]を出て車に向かって歩いていると、玉砂利を蹴飛ばしながら走ってくる足音が、喧噪を忘れさせた夜の闇を近付いてくる。



「クロサワー!」



その絶叫に振り返った刹那…俺の耳をサイレンサーを付けた拳銃特有の、空気の漏れるような音が舐め、三発の乾いた静かな銃声が夜空に飲み込まれていく…。



瞬きする間も無い一瞬の出来事…その男はタイヤを軋ませながら走ってきた車に乗り込み、車はライトも点けずに夜道を駆け抜けて行った…。
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