なんでも屋 神…第二幕
「…知りませんよ、クラブドラッグなんて…。」



動揺してはいるが、少なくとも今はドラッグを食っていないのだろう。それは、中毒者特有の雰囲気が無い事で分かる。



「バックレるの?別に、しらを切り通すならそれでも良いよ。だけど、それなら場所変えようか?」



そう言って俺が親指で指した方向には、脇道の隙間から見える交番。これは単なる脅しだ。



売人がドラッグを大量に持っていて売買を行っていると言うのは、最早過去の遺物とでも言って良いだろうドラマの中の出来事。



実際は小売時にドラッグの保管場所に戻り、新たなドラッグを仕入れるのが基本事項だが、職質時、通常なら持ち物の検査はされない。



其処まで刑法では定められていないのだ。それでも、危険を避ける為に売人等はそうしている。
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