なんでも屋 神…第二幕
智樹は何かを決意するように奥歯を噛み締め、蚊の泣くような掠れ声を震わせて呟いた。



「…サグです…。」



聞いた事が無い名前…現役を退いた俺からすれば、それも当然の話しなのかもしれない。



「恐喝現場発見!」




左側から急に焚かれたフラッシュの光に、眩しさを覚えながら振り向くと、其処にはカメラを構えたマコが楽しそうに佇んでいた。



智樹の胸ぐらを掴んでいた右手を離し、それまでの勢いを削がれたようで肩を落とす。



もう少し話しを聞き出したかったのに…。
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