なんでも屋 神…第二幕
やはり其れほど時間も掛からずに到着した秀太のSHOPは、灰色のコンクリートが全てグラフティで埋め尽くされている。



他人の所有物である建物の壁に絵や文字を描くのは、当然ながら軽犯罪法違反になる。だが、秀太のSHOPは若い奴等のイラスト帳代わりだ。



埋め尽くされたら一度下地の色を塗り替え、今度はその下地の色に合わせて構想を練り直し描く。



秀太が自分で描いたのは、立体的に見えるSHOPの看板[Z・Z-second](ジィーズセカンド)だけ。



秀太も奏のように一線を退いた形で、後輩や若い奴等のバックアップに回っているんだ。



流石は今大人気のアパレルSHOPだけあって、店内は服を選んでいる若い奴等でごった返しているが、俺はレジの脇を通り抜けて事務所の方に向かう。
< 192 / 344 >

この作品をシェア

pagetop