なんでも屋 神…第二幕
床を叩くような足音が止み、ドアの開く音と供に、オクターブを上げたマコの声が雪崩込んできた。



一つだけ先程から気掛かりだったのは、金城が事務所に居る筈なのに、ブラインドが開く気配も無ければ、蛍光灯が点いた様子も無い所…やはり幽霊会社だろうか?



「すいません。私モデルに成りたくて…面接して貰えますか?」



いよいよスタートの鐘が高らかに鳴り響き、自然と俺の身体にも緊張が走る。



金城は一体どう出るのだろうか…。



「ウチは募集していないから帰ってくれ。」



高らかに鳴り響いたスタートの鐘は、見せ場も無いまま同じく高らかに終了の鐘を鳴らした。



余りに拍子抜けした終わり方に、穴の開いた風船のように気が抜け、危うく窓から落ちる所だった…。
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