なんでも屋 神…第二幕
「そんな事ないだろう!モデルでも通用した筈だ!」



広角沫を飛ばしながら、ノリが珍しくムキになっている。



普段なら静観しているだけなのに、変な奴だな…。



くわえたタバコを落としそうになったが、ノリの言う通り、マコに落ち度は無かった。



金城がミーハーでなければ、相手がマドンナでも手を振り払っただろう。



「早くクラブドラッグについて教えてよ!」



…何を話して良いか逡巡を巡らせていると、勘の鋭いノリはそれが[なんでも屋]の方の依頼だと気付いたらしく、腕組みしながら目を細めて俺を見据えてくる。



それは兄ぃの方を優先してくれと言う、懇願とも脅しとも取れる視線だったが、俺にとっては奏からの依頼も大事な仕事だ。



この街で生まれ育った人間として、死人まで出しているクラブドラッグを見過ごす事は出来ない。
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