なんでも屋 神…第二幕
メインの方に視線を移せば、漆黒の夜空に抗う街灯に集まる羽虫の如く、若い奴等が未だ騒いでいた。



「じゃあな。」



家の方向である、メインの方へと歩き出したマコとノリに別れを告げ、俺はマジェスティのアクセルを緩やかに開いていく。



「マコさんバイバーイ。ノリ〜、ちゃんと家まで送ったら直ぐ帰れよ〜!」



後ろのシートでは、一葉が二人に大きく手を振っているのが分かる。



勿論、一瞬遅れてからだが、ノリからの怒声が背中に響いたのは言うまでも無い。



俺の腹筋の前に両腕を回し、しっかりと後ろから抱きついてくる一葉が、とても愛おしく思える…。



こうしていると、繭玉の中へ入ったかのように、酷く安らいでしまうんだ。
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