なんでも屋 神…第二幕
三人を注意深く観察してみるが、左右の男はそのナイフを持った様子から、左が右利き、右が左利き…。



たった今喋った真ん中の奴は、両手に二本のナイフを携えてはいるが、両利きの可能性は低いだろう。完璧な布陣だ。



「心配しなくても、後ろに居る女も、後々消してやるから気にするな。元々、そっちの方が本職だ。」



余裕から来る軽口と、零れ出る微笑…後ろに居る一葉は、途方も無い恐怖から俺の服を強く握ってきた。



肌がヒリ付くような火傷にも似た感覚に、胸奥ではその高ぶる気持ちに戸惑いながらも、やはり何処かでこの状況を楽しもうとしている自分が居る。



一葉を最愛の妹だった真美と、同じ道を歩ませる訳にはいかない…何としても打開する手段を見つけださねば…。
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