なんでも屋 神…第二幕
気紛れな天は、この時だけ悪戯に俺の味方をした。



それは尊い存在の一葉を失うなと、そう言っているようにも聞こえた…。



突如鳴り出した俺の携帯に、其れまでにやけていた表情を凍り付かせる三人。



これだけでも、先程までの余裕は無くなったはず…。



眼前の三人は表情筋が固く強ばり、唾液を送ろうと喉仏が上下し、苦々しく奥歯を噛み締める様が伝わってくる。



今三人の軽い頭の中には、危惧と懸念と疑念の三重奏が、壮大にその調べを奏でているだろう。



無論、俺が電話に出る余裕も無ければ、そんなつもりも更々無い。



だが、今はそれをネタに遊んでやるのも一興だな…。



「どうする?一対三じゃ無くなるかもしれないぞ。そうなれば勝ち目は無いと、今の内に尻尾を巻いて帰るか?」
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