なんでも屋 神…第二幕
「お飲物はコーヒーで宜しいですか?」



狼狽えたように落ち着きの無い老女と、余り物を置いていない事務所の隅々まで、ゆっくりと視線を泳がす老人。



黒髪は殆ど見えず、白髪と言うよりは銀髪に近い緩いパーマ頭を、櫛で撫でつけたような老女。



完璧な白髪頭を坊主に刈り込んだ、マッチ棒を連想させる老人。見た所、二人共歳は七十前後か…まぁこのぐらいになれば、歳など重要な意味など成さないがな。



[トレイン]に電話してモカをもう二つ追加し、マスターが来るまで緩やかに流れる時間に身を任せる。



到着したモカを二人の前に差しだし、気になる二人の依頼を名前から聞き始めた。
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