なんでも屋 神…第二幕
薄茶色の作業ズボンに、黄色がかった半袖のYシャツの上には、抹茶色のベストを着た老人が話し始めた。



「儂は古川吉次郎七十五歳で、此方の女性は半田ヨネさん六十九歳じゃ。」



二人共名字が違う…思わずメモ帳に走らせていた右手を止め、二人の方に視線を向ける。



「若いのに察しが良いようじゃな。儂等は夫婦じゃなく茶飲み友達じゃ。」



茶飲み友達…俺達が言えば、友達以上恋人未満と言った所だろうか…。



「あんたの事は、小金井泰造から聞いてきた。頼みたいのは儂等の駆け落ちじゃよ。」
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