なんでも屋 神…第二幕
それだけを言い残し、最後にもう一度だけ微笑むと、真美は闇に吸い込まれるようにして、ゆっくりと消えていった…。



「真美!」



必死に手を伸ばすも、消えていく真美を見つめ続けていると、いつの間にか俺も暗闇の中に包まれていた…。



丁度良く月灯りが雲間から顔を出し、僅かな光力を頼りに瞼を擦り瞳を馴らすと、其処は見慣れた俺の部屋。



上半身をゆっくり起こすと、筋肉の溝を伝って滝のような汗が、引力に従って下の方に流れ落ちていく。



これだけ身体全体に隈無く汗を掻いているのに、背中だけは何事も無かったようにさらさらと乾いているのが不思議だった。
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