なんでも屋 神…第二幕
ノリの大きな舌打ちが木霊するバスルーム。



内心は俺も同じ気持ちだったが、俺の震えるような心中は戸惑いを見せていた。



動作を繰り出そうとする一瞬、思考に迷いが生じる…。



さっきの醜態は、その一瞬を突かれてのものだった。



凍てつく思考が母親譲りなのは、何となくだが分かる気がする。



問題は、動作を繰り出す判断…少なくとも、母親からの遺伝子では無いと感じる。



となれば、トラブルに陥れば陥る程、裏の世界に引き込まれていけば引き込まれていく程…心震える期待と昂揚する精神。



父親からの遺伝子だと半ば確信する中、必死にそれに抗おうとする自分が居る。



…遅れてやってきた反抗期と言えば可愛いが…。



バスルームを後にし、収穫無しと諦めて玄関に向かう途中、階段脇の物置の扉から、僅かに漏れてきた隙間風が頬を撫でる。
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